行政書士試験対策ブログ

行政書士試験対策ブログです。 試験に対する考察、勉強方法に関するアドバイスなどを通じて、受験生の皆様を応援しております。 和歌山県行政書士会 理事 神山和幸行政書士事務所 ※詳細はプロフィールをご覧ください。

こちらは、現役行政書士による行政書士試験受験合格を目指す方々への応援ブログです。
勉強方法、おすすめの六法・参考書紹介、法令解説などを通じて、合格へのお手伝いをいたします!

さて、現在の行政書士は、非常に難易度の高いものとなっています。そのため、きちんとした行政書士の勉強法や合格するための考え方を身に付けなければ攻略できません。

私も様々な勉強方法を試してまいりました。
合格まで、3年半、計4回の受験を経てきました。
しかも、サラリーマンであった私には、学習時間の配分にも大変苦労しました。

その3年半において、色々と試行錯誤して参りましたが、その中で経験したこと、学んできたことをもとに、行政書士に合格するために、効果的な勉強方法とは?についてご紹介するとともに、各科目、特に一般教養についての勉強法についても触れて参ります。

是非、これから行政書士の勉強をする方や行政書士に合格できなくて悩んでいる方に 読んでいただきたいと思います。


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行政法の問題 その7「行政裁量」




 こんにちは。行政書士神山です。
 当メールマガジンバックナンバーを御覧いただきまして、誠にありがとうございます。
第7回は、「行政裁量」についてです。
 
 [練習問題] に関する次のア~オのうち、妥当でないものはどれか。

ア. 行政庁の裁量行為に属する処分の取消訴訟においては、当該処分権限の行使が裁量権の範囲を超えている場合に限り、裁判所は取り消し判決を下すことができる。
イ.ある公務員の行為が、国家公務員法82条1項3号が定める「国民全体の奉仕者たるにふさわしくない非行」に該当するか否かについての判断は、処分をするかしないかの判断に際して認められる効果裁量に該当する。
ウ.行政裁量論は専ら行政行為に関して問題となるところであり、行政立法や行政計画においては、行政の裁量が問題となることはない。
エ.裁量行使に関する裁判所の審理は、行政庁の判断の過程にも及ぶから、考慮すべき事項を考慮しなかった場合や、考慮すべきでない事項を考慮した場合には、裁量行為が違法と判断されるとするのが最高裁の判例である。
オ.土地収用法に基づく損失補償においては、補償の範囲及びその額の決定につき、収用委員会に裁量権が認められるとするのが最高裁の判例である。

 ※解答はこの下です。





[正解と解説] 正解は「エ」です。
ア・・・× 行政事件訴訟法30条は、「行政庁の裁量処分については、裁量権の範囲を超えまたはその濫用があった場合に限り、裁判所は、その処分を取り消すことができる」と定めています。この「裁量権の濫用」があった場合にも裁判所は取り消し判決を下すことができます。
イ・・・× 国家公務員82条1項3号にいう「国民全体の奉仕者たるにふさわしくない非行」が具体的にどのようなものかは、同法から明らかでなく、これに該当するか否かの判断は処分権者に委ねられています。この判断は処分権限発動の要件を充足するか否かに関する判断であり、これは要件裁量に該当します。なお、同条1項柱書に定める「免職、停職、減給または戒告」のうち、どの処分を選択するかについての判断は、効果裁量に属します。
ウ・・× 行政裁量は、主に行政行為において問題とされる概念ではあるが、その他の行政作用においても問題となりうる。例えば、行政立法のうち委任命令は、法律により権利義務の設定に関する行政裁量を認めることに等しく、または行政計画の策定の場面においても行政府に広範な裁量が認められる。
エ・・・○ 裁量行使に関する裁判所の審理は、裁量権行使の結果のみならず、行政庁の判断の過程にも及ぶと解されています。すなわち、考慮すべき事項を考慮しなかった場合や、考慮すべきでない事項を考慮した場合には、裁量行為が違法と判断されるとするのが最高裁の判例です。
オ・・・× 土地収用法に基づく損失補償においては、完全な補償をなすべきであり、補償の範囲及びその額の決定につき、収用委員会に裁量権が認められないとするのが最高裁の判例です。

[ポイント]
行政裁量についての判例には、「在留期間更新の可否(最大判昭53.10.4)」、「国家公務員の裁量処分と裁量権(最判昭52.12.20)」、「土地収用の補償額の決定(最判平9.1.28)」が代表例ですので、是非覚えて下さい。


[前回の宿題の解答・解説] 正解は「エ」 です。






行政法の問題 その5「行政行為の効力」






当メールマガジンバックナンバーをご覧いただきまして、誠にありがとうございます。
第5回は、「行政行為の効力」についてです。
※第4回は眞に申し訳ありませんが、公開できません。

 
 [練習問題] 次のア~オのうち、妥当なものはどれあるか。

ア. 行政行為の適法性について行政側と相手方である国民の間で争いがある場合、裁判所の判決により違法性が確定するまでは国民は当該行政行為に従う必要はない。

イ.行政行為により形成された法律関係又は権利義務を否定するには、原則としてその法律関係ないし権利義務について民事訴訟や当事者訴訟で争わなければならない。

ウ.違法な行政行為によって損害を被ったことを理由とする国家賠償請求訴訟にも行政行為の公定力が及ぶから、この訴訟を提起するにあたり、まず取消訴訟を提起して当該行政行為の取消判決を得ておく必要がある。

エ.無効の行政行為にも不可争力が生じるから、一定の争訟定期期間を経過すると、その効力を国民の側から争うことができなくなる。

オ.行政行為には自力執行力が認められているから、行政行為の相手方が義務を履行しない場合は、当該行政行為に対する取消訴訟が係属中であっても、原則として強制執行をすることができる。

 ※解答はこの下です。




[正解と解説] 正解はオです。
ア・・・× 私法上の法律行為においては、その違法性について当事者間で争いがある場合、裁判所の判決による義務の確定があるまではその行為に従うことを要求されません。しかし、行政行為には公定力が働くため、例え違法な行政行為であっても、行政庁または裁判所によって取消しの措置が取られない限り、一応有効なものとして扱われることになります。従って、行政側と国民側で行政行為の違法性を争っていたとしても、取消判決がなされるまでは有効なものとして扱われるので、相手方たる国民は行政行為に従わなければなりません。

イ・・・× 行政行為には公定力が働きますので、行政行為により形成された法律関係又は権利義務を否定するには、原則としてその法律関係ないし権利義務について民事訴訟や当事者訴訟ではなく、取消訴訟を提起して争わなければなりません。このことを、「取消訴訟の排他的管轄」といいます。

ウ・・・× 公定力は、違法な行政行為によって損害を被ったことを理由とする国家賠償請求訴訟には及ばないとされています。あらかじめ取消訴訟や無効確認訴訟を提起して当該行政行為の取消や無効判決を得ておく必要がない旨判示している。

エ・・・× 一般に、行政行為には不可争力が働くため、行政事件訴訟法や行政不服審査法の定める出訴期間・不服申立期間の経過後は、行政行為の効力を争うことができなくなります。これは、行政行為の法的安定性を確保するために認められた効力である。もっとも、無効の行政行為には不可争力すら働かない。このことは、無効確認訴訟において出訴期間に関する規定が準用されていないことからも明らかである。

オ・・・○ 行政行為には自力執行力が認められています。すなわち、行政行為により国民に対して課された義務が履行されない場合には、行政庁は裁判所の判決を得ることなく強制的に義務の履行を実現することができるのです。また、義務発生の根拠となる行政行為について取消訴訟が提起されたとしても、原則として執行は停止しないため、行政庁はなおも強制執行を行うことができます。

[ポイント]
•行政行為の効力としては以下の5つがあります。

1.拘束力→行政行為がその内容の応じて相手方(国民)及び行政庁自身を拘束する効力
 ※すべての行政行為が対象です。
2.公定力→正当な権限ある機関(行政庁・裁判所)による取消行為があるまでは、相手方・第三者及び国家機関は、行政行為に効力があることを認めざるを得ない効力
 ※無効な行政行為には公定力は働きません。
3.不可争力→出訴期間や不服申立期間を経過後、行政行為の相手方から、行政行為の効力を争うことができなくなる効力
※無効な行政行為には公定力は働きません。
4.不可変更力(実質的確定力)→行政行為をなした行政庁自身が、もはや当該行為を取り消し又は変更することができなくなる効力
 ※不服申立て等の手続を経た行政行為についてのみ生じます。
5.自力執行力→裁判所の関与がなくても、行政庁が行政行為の内容を自らの手で実現しうる効力
 ※命令的行為のうち、法律の定めにより強制執行が可能なものに限定されます。


[前回の宿題の解答・解説] 正解はエです。
ア・・・× 行政立法は、権限ある行政庁が適法な手続で定め、署名した上、国にあっては官報に、地方公共団体にあっては、「条例等の公布に関する条例」の定める様式に従って(地方自治法16条)、広報等に掲載してこれを公布することになっております。
イ・・・× 判例では、違法な通達が発せされたことによって事実上の不利益を被ったとしても、国民は通達そのものに対して取消訴訟を提起し争うことはできないとしています(最判昭43.12.24)
ウ・・・×判例では、銃砲刀剣類登録規則が銃砲刀剣類所持等取締法14条1項の登録の対象となる刀剣類を日本刀に限定したことは、同条5項の委任の趣旨を逸脱するものではないとします(最判平2.2.1)。
エ・・・○ 委任命令は法律の委任により私人との権利義務の内容自体を定めるものであることから、法律の根拠が必要とされます。これに対して、執行命令は、私人の権利・義務の内容を新たに定立するものではなく、その内容を実現するための手続きを定めるものにすぎないため、法律の根拠を要しません。
オ・・・×行政規則は、行政機関の定立する定めですが、国民の権利義務に直接影響を及ぼさない専ら行政内部の規律である。したがって、法治主義の原則から、行政規則は法律の根拠なく行政機関が自由に定立することができます。

[宿題] に関するア~オの記述のうち、妥当なものはどれか。
ア.公定力とは、違法な行政行為であっても、権限ある機関によって取り消されない限り一応有効なものとして通用する効力をいい、平成16年の行政事件訴訟法の改正により、公定力の定義規定が設けられた。
イ.出訴期間の経過後は不可争力が生じるため、私人の側から行政行為の効力を争うことができないだけでなく、行政庁の側で職権により行政行為の取消をすることも許されなくなる。
ウ.行政行為には自力執行力があるので、国民に義務の不履行があったときは、 行政庁は法律の根拠なくして当然に、義務の内容を実現することができる。
エ.行政行為の不可変更力はすべての行政行為に認められる効力ではなく、一般に、紛争を解決するための裁断作用に認められるものである。
オ.行政行為が効力を生じるのは、相手方が意思表示の到達を現実に了知したときに、限られるとするのが最高裁の判例である。



行政法の問題 その3「行政過程における私人の地位・行為」



 当メールマガジンバックナンバーをご覧いただきまして、誠にありがとうございます。
第3回は、「行政法の一般的な法理論」の「行政過程における私人の地位」についてです。
 
 [練習問題] 次のア~オのうち、正しいものはどれか。

ア. 行政過程において、私人は自由権と財産権の主体となるが、所有権絶対の原則によりこれらの権利は強く保障されるものであるから、法律の根拠があるときでも、私人には自由と財産を侵害する行政活動に従う義務はない。

イ.私人の受益的地位とは、積極的に国または公共団体に対して給付を求める地位に立つことを言うが、給付の実現方法としては、契約の手法を探るのが原則であり、行政行為を介在させる手法は実務上採られていない。

ウ.処分の名宛人に対しては心外的行為になるが、第三者に対しては授益的に働く場合には、当該利益を受ける第三者が侵害的行為の発動を行政に求めることも認められている。

エ.行政権の規制権限の不行使に対しては、行使できるにもかかわらずあえてこれをしないという行政庁の判断を尊重しなければならず、私人が規制権限の不行使を理由に国家賠償請求をすることはできない。

オ.行政過程において私人が行政決定に参加する地位も、民主主義的見地から認められるべきものであるが、現行の行政手続法には、私人の行政決定への参加を踏まえた規定は存在しない。

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 ※解答はこの下です。

[正解と解説] 正解はウです。

ア・・・× 私人が自由権と財産権の主体として、公権力主体である行政主体と対峙する関係を私人の防御的地位といいます。この関係において、私人は法律の根拠がある限り自由と財産を侵害する行政活動を受任しなければならず、当該行政活動に従う義務が発生します。所有権絶対の原則は、近代私法の重要な原則ではあるが、行政との報関係においては必ずしも適用をみないのです。

イ・・・× 積極的に国家や公共団体に対して一定の行為を要求する地位を私人の受益的地位といいます。例えば私人は、日本国憲法の社会権規定を根拠とする個別の法律に基づき、行政主体に対して各種の給付請求権を持ちます。そしてその給付の実現手段には、契約の手法が取られるほか、行政行為を介在させて私人の要求を実現する手法も取られています。例えば、社会保障関係給付の多くは、給付の前提として私人からの申請を要求し、これに対する保護決定・給付決定という行政行為によってなされます。

ウ・・・○ 処分の名あて人に対しては侵害的行為になるが、第三者に対しては授益的に働く場合には、当該利益を受ける第三者が侵害的行為の発動を行政に求めることも認められています。例えば、建築基準法違反の建築主に対する建築物除却命令の発動を当該建築物の隣人が求める場合があります。

エ・・・× 行政権の規制権限の不行使に対して国家賠償請求ができるかどうかにつき、明文の規定はないものの、判例は、権限不行使の違法性を前提として国に対して損害賠償を請求できることを認めています。もっとも、安易に違法を認めているわけではなく、処分権限が付与された趣旨・目的に照らし、その不行使が著しく不合理と認められるときでない限り、国家賠償法1条1項の適用上違法とならないとしています。

オ・・・× 行政過程において私人が行政決定に参加する地位も、民主主義的見地から認められるべきものです。これを踏まえて、行政手続法では、申請に対する処分において公聴会の開催を求めたり(行政手続法10条)、また命令等の制定手続きにおいて国民から意見を公募する仕組み(同39条以下)があります。


[ポイント]
◎ 私人の防御的地位・・・私人が自由権と財産権の主体として、主体である行政主体と対峙する関係 →違法な行政行為に対して、取消訴訟や損害賠償請求を行う場合。
◎ 私人の受益的地位・・・積極的に国家や公共団体に対して、自己に対して一定の行為を要求する地位 →契約的手法と行政処分による。
◎ 私人の第三者に対する一定の公権力の発動を求める地位・・・処分の名あて人に対しては侵害的行為になるが、第三者に対しては授益的に働く場合には、当該利益を受ける第三者が侵害的行為の発動を行政に求める場合 → 建築基準法違反の建築主に対する建築物除却命令の発動を当該建築物の隣人が求める場合の隣人の地位
◎ 私人の行政家手地への参加的地位・・・行政手続に参加する場合の私人の地位→ 意見公募手続に参加した場合の私人


[前回の宿題の答えと解説] 

正解は、2つです。
サ・・・× 判例は、公物が長年の間事実上公の目的に使用されず放置され、もはやそのものを公共用財産として維持すべき理由がなくなった場合には、当該公共用財産について黙示的に公用が廃止されたもとして、取得時効が成立しうるとするのが最高裁の判例ですので、明示的に公用が廃止される必要はありません。

シ・・・× 判例は、独占禁止法19条に違反した公正な取引方法による契約の私法上の効力について、その契約が公序良俗に反するとされるような場合は格別として、同条が強行法規であるからとの理由で直ちに無効であると解すべきではないとしています(最判昭52.6.20)。
ス・・・○ 判例は、地方公務員である公立学校の教員に対し、欠勤分について過払いがあったとして、後日給与から減額する措置は、過払い分の不当利得返還請求権を自働債権とし、給与請求権を受働債権とする相殺に他ならないが、このような相殺が許容されるのは、労働基準法24条1項本文(賃金の直接全額払い)の法意を害さない例外的な場合に限られるとしています(最判昭45.10.30)。
セ・・・○ その通りです。(最判平16.7.13)
ソ・・・○ その通りです。(最判平元.9.19)


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